<テクニカルノート>

測定

精度

 生体内の音速約1500m/sとし7.5MHzプローブを用いるとして
 超音波波長は

   =生体内音速(m/s)x(1/プローブ周波数(MHz))=0.2mm

  理論的に半波長以下の距離は認識できないため測定限界は
 7.5MHzプローブでは約0.1mmになる。
 しかしここでは超音波は正弦波であると仮定しているが実際はパルス
 で発射され高い周波数成分も含まれている他生体内の音速も均一では
 ない。またレンズで絞られていたりデジタル処理のためかなり画像は
 クリアな方向で改善されているようである。実際94年に米国の
 グループがレプリカと水中で確認した結果ではプローブ周波数できまる
 理論精度にくらべIMT等の相対距離の精度はさらに1/10は期待できると
 した報告もある。特に今回のように10MHzプローブを用いる事を考慮
 すれば0.01mmの有効桁数までは期待していいのではなかろうか。
 実際には生体組織の完全なシュミレーションが不可能以上完全な
 確認は難しい。げんに死体を使った解剖学的比較でもホルマリンなどに
 よる死体の化学的変化等があり絶対的な比較とまではいかないようである。
 IMTとは超音波で観た観測値としての実用値と考えれば良いのではなかろうか。
 (より詳細な議論)

マニュアル計測との違い

 コンピュータ計測のアルゴリズムによる誤差を盛んに研究してきた
 のはスエーデンのグループである。しかし基準となるIMTは生体内
 にあるため実測が出来るわけでもない。前出したように死体の
 解剖学的比較においても実際のところ正確に計られる訳でもなく
 やはり計測値は従来から測定してきた熟練者の経験則として基準を
 合わせる事が唯一のキャリブレーションと思われる。確かに人による
 バラツキが大きい測定値を基準にするのはコンピュータによって被験者
 誤差を少なくする目的からして矛盾するようには思われる。
 しかしコンピュータ計測が一旦始まればそれがより安定した基準となる
 事を考えれば結果として良いのではないかと思われる。
  マニュアルによる目測による測定は人により内膜エッジの立ち上がり
 をどのグラデーションで取るかで違ってくる傾向がある。従ってその補正
 をどのぐらいにするかは精度に影響を与える点でもある。
  1997年にAHAが過去提出されたIMT計測論文からレビューした結果では
 コンピュータ計測の結果がやはりその変動系数の点で優れていたようである。